2011年1月6日木曜日

THE BLACK COMET CLUB

「これが会員証。」
お月さまに手渡されたのは、吸い込まれそうな黒色をしたバッジだった。
「会員証? 何の?」
「もちろん、THE BLACK COMET CLUBのだ」
お月さまがエヘンと胸を張ると、バッジの中にホウキ星がひとつ、流れた。
「会員規約、第一条。本会員は、夜空を自由に駆け巡ること。第二条、本会員は、月及び、月と懇意であること。第三条、月と諍いを起こしたものは……」
お月さまが条例を読み上げるたびに、バッジに星が流れる。