2010年2月8日月曜日

ばぁちゃんが死んだ後、荷物を片付けていたら、台所の大きな甕に、多量の腕時計が入っていた。
梅干しが入っているとばかり思った甕に、そんなものが入っていると知り、少なからず驚く。
時計は全て止まっているようだが、時折何かの拍子で「カチ」と音がする。背中を急に叩かれたかのようにギクリとする。
一体、ばぁちゃんはこの夥しい時計をどうやって手にいれたのだろう。いくらばぁちゃんが大往生だったからといっても、生涯に使った腕時計だけでは、こんな数にはなるまい。そもそも、ばぁちゃんが腕時計をしている姿を思い出せないではないか。
恐る恐る、ひとつ腕時計を持ち上げてみると、梅干しの匂いがした。

六本木ヒルズ、森美術館「医学と芸術展」を見てきた。
洋の東西を問わず、胎児と骸骨への興味は並々ならぬのだな。

象牙の小さな人体模型と、河鍋暁斎の骸骨がユーモラスで、特に気に入った。

古い時代の症例写真や術後写真なども少しあった。
私も赤ん坊のときに大きな外科手術を受けたので、子供の頃は毎年のように手術跡の写真を撮られていたのだけど、あれはまだどこかに資料として残っているんだろうか。一度も見たことないなぁ。

なかなか盛りだくさんで、こんな内容ゆえ刺激的な展示物もあり、最後のほうは「うぃー、お腹いっぱいー」だったのだけれど、ゆとりあるディスプレイで、土曜の午後にも関わらず見やすかった。