2009年8月27日木曜日

夢 第七夜

かつて城下町だったこの町だが、大通り商店街に人の気配はない。
錆びたシャッターが延々と続く。点滅したままの青信号、剥げた横断歩道。
祭りを知らせる赤い提灯型の電球だけが規則正しく明る過ぎる。
私は真夜中の大通り商店街の車道の真ん中を一人で歩いている。どこに向かっているのかわからない。歩いても歩いても、死んだ商店街は終わらない。
突如、鳴り響く「ニュース速報」の音、と同時に激しい揺れ。
絶叫。
叫んでいるのは私だと、夢の中の私は気が付かない。耳を塞いだまま、あらんかぎりの声で、叫んでいる。

(240字)