2009年5月18日月曜日

再会

草原で口づけあった二人の右には大河、左には川があった。
私が川がいいと言ったのに、あなたは大河を選んだ。早く海に出たいのだと言う。
私の舟は小さい。漕ぐこともせず、ただ流される。雲を眺め、星に願い、風を聴いた。

大河に合流する。あなたの大きな船はきっともうここを通り過ぎた。
町を通り、港に近づいたら、潮風を一杯に吸い込もう。あなたはたぶん、そんな暇もなく沖に出てしまったのでしょうね。
海原であなたに再び出逢うことはあるのかしらと太陽に問う。
もし逢えたとしても。あの草原での交わしたような接吻は二度と叶わない。

(251字)