2007年8月2日木曜日

八月一日 無言

図書館のカウンターにいたのは、ほんの子供だった。13歳か、それくらいの。
子供は紺色の平らかなエプロンをして、バーコードを読み取っていた。
その手付きは慣れているとは言い難いのに、反対に子供の顔は落ち着き払っていた。
私はきっちりバーコードが揃うように五冊の本を子供の前に置いた。
子供はもたもたと手を動かしてバーコードを読み取った後、五冊の本を無言で私に差し出した。
「どうもありがとう」
と私が言うと、怯えた顔をした。
その視線の先には「私語厳禁」の貼り紙。