2006年3月18日土曜日

砂漠で眼玉を拾いました。

砂漠で眼玉を拾いました。右眼を外して(ちょっと厄介だったけれど)拾った眼玉を入れました。
新しい右眼は、とてもよく見えた。
シャボン玉を吐き出して走る汽車とか、膨らみ続けて破裂したペンギンが見えました。
僕はあちこち飛んで見てまわることにしました。頭にプロペラを載せてね。
右眼は、もっと素敵なものを見たがっていたんだもの。
放射能に汚染された牛や、くしゃみする入れ歯は親切でした。
ムンクはいつでも叫んでいるし、鳥の羽の木は温かい。
「なかなか見物だった」
「きみのおかげさ」
そんなこんなで、右眼は砂漠に帰っていきました。僕は公園の石像になりました。


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佐々木マキ「輕氣劇、砂漠の眼玉」1970年をモチーフに