2006年1月5日木曜日

愉快な混乱

黄金に輝く湖の水面を、弟は舞っていた。
弟はもう私より背が大きいのに湖の上で舞う姿は華奢で、はかなげで、たどたどしい。
湖の上で踊ってどうして沈まないんだろ、と思いながら、私は目が離せなかった。
弟は、しばらく水面でつつつ、と舞っていたが
突然高くジャンプして、水中に飛び込んだ。
撥ねた水が私を濡らす。
それを見て笑う弟の顔は、ずいぶんたくましくて、私は愉快な混乱に陥る。

《Horn》