2005年11月11日金曜日

操り人間と発条ネコその23

安田はこの町が騒がしいことに気がついた。
あらゆる方向からジギジギと音がする。
「これは……!」
安田は独りごちた。
「発条の町だ」
周り中の人や物が安田の声に振り向いた。人も家も自動車も発条仕掛けの町。
「みんな人形みたい……」
と安田はパンジーの発条を巻きながら思う。かつて操り人形だった安田も大差ない。
右手の糸がパンジーに絡まる。
キンキュウジタイは、自分に捜索願いが出ていたことを知る。