2005年10月16日日曜日

操り人間と発条ネコその4

操り人間安田は真夜中の道端で転んで身悶えていた。
悶えれば悶えるほど手足は絡まるが、こんな田舎道、真夜中に通り掛かる人はいない。
安田は諦めて、右手が左足に絡み左足が頭に絡み右足が右手に絡み右手が左手に絡んだまま眠ることにした。
発条ネコのキンキュウジタイは安田の一部始終を見ていた。
難儀な人間であることよ、とキンキュウジタイは考えた。
キンキュウジタイは尻尾を巧みに使い安田の手足を解いて、その場を去った。