2005年8月26日金曜日

手紙

ぼくはいつもパビムンに手紙を書いた。
パビムン、今日はいい天気です。
だけどぼくはパビムンがどこに住んでいるのか知らない。
パビムン、明日は誕生日なんだよ。11才だ。
だから宛先は書けない。
グランドで転んじゃった。
手紙は机の引きだしの中。
パビムンは森に入ったことがある? 暗い夜の森。
真っ白の封筒が百通たまった。
天国の天国はどこにあるのか、知ってる? パビムン
本当はパビムンなんていやしない。
珊瑚礁が見てみたいんだ。
だって、ぼくが妄想で作った友達だから。
たくさん血が流れた。
万が一いたとしても…パビムンはぼくを知らない。
パビムン、君への手紙は全部焼けました。