2005年8月23日火曜日

パビムン・パビムン

「ただ、パビムンだったのさ……」
男はそう言ってシワだらけの顔を歪ませた。
その顔は笑っているようにも、泣いているようにも見えた。
私は男の節くれだった手にくちびるを寄せ、家を出た。
空には三日月が三つ。