2005年3月18日金曜日

月から出た人

「こんばんは、お嬢さん。お名前は?」
「キナリ。おじさんは?」
「私の名前?名前は……ナンナル」
「変わった名前だね」
「お互いさま」
キナリ、と名乗った少女は毎晩月を見ていた。
月は、少女と話したくなった。ただそれだけ。