2004年9月6日月曜日

運の尽き

ぼくのズボンのポケットはいつもパンパンに膨れていて、しょっちゅう人に「一体なにが入っているんだ?」と聞かれるけれど
何が入っているのか、実はさっぱりわからない。
丸めたハンカチや鼻水のついたちり紙が入っているわけではない。ポケットは本当にカラなのだ。
 昨日、ポケットが全然膨れていないことに気付いた。
ぼくは気分がよかった。いい大人がズボンの両ポケットを膨らませて歩くなんて、だらしがないことこの上ないもの。
ぼくは堂々と歩いた。
そして、石につまずいた。自転車にぶつかった。切符を無くした。痴漢に間違えられた。
ぼくのポケットには一体何が入っていたんだろう。