2004年7月7日水曜日

占い通り

大通りの路地を入ったところに通称「占い通り」はある。
よくも悪くも不審な人々が小さな机を道の両側に並べ、多い時は50人ほどの占い師が集まる。
各々「占」の文字が入った提灯や、大きな蝋燭を出し、狭い通りを妖しく照らしている。
オレは占いなどに興味はないのだが、アパートに帰るにはその道を通るのが一番の近道なので、毎晩のように彼らの間を歩く。
そのなかにひとりだけ、気になる人物がいる。
この通りの中では新参者の男だ。目付きは鋭いがこざっぱりとした服装で、よく客が入っている。
「手相」の提灯に照らされた彼の影は、どう見てもウサギなのだ。