2003年10月2日木曜日

風使いの少女

ぺろっとなめた人差し指を空に突き刺し風を読む。
「びゅうびゅう」
と叫ぶと私のからだは風に乗った。
読みを間違うと地面に叩きつけられる。
今日の風は乗り心地がいい。
私はちょっとスリルがある風が好き。
嵐の時は「ごぉーごぉー」。
これは振り回されて大変だ。しがみつくのがやっと。
暴れ馬よりタチが悪い。
「ひゅるん」とした春の風はふわふわぬくぬく。
おひさまと若葉の匂いで眠くなっちゃう。
「そよそよ」してる夏の夜の風も楽しい。
花火をすぐ近くで見れるの。近づきすぎると煙たいけどね。
秋は「ひゅーひゅー」。風のいい季節。
木枯らしは私のお気にいり。枯れ葉とくるくる、踊るのよ。
風の吹かない日なんてない。どんなに静かでも風は吹いてる。
弱くても、小さくても風は風。ちゃんと読めばちゃんと乗れる。
あ、海が見えてきた。そろそろ帰らなきゃ。