2003年9月7日日曜日

in the distance

「お誕生日おめでとう」
そこまで書いてペンが止まってしまった。
とりあえず立ち上がってコーヒーをいれたり、新聞を読んだりして三十分ほど時間を置いてみたけれどやっぱりうまく言葉がでない。
プレゼントを選ぶのは楽しいのにカードを書くのはなぜか苦手だ。
この際、決まり文句で済ませてしまおうかと思ったけれど、それは私の心が拒否していた。
かといってポエムちっくなのもどうかと思う。そんな言葉が似合うほどお互い若くないのだ。さりげなくて私の気持ちが込められる言葉……。
「今,7日の午後二時です。あさってのあなたの誕生日に間に合うといいのだけど。プレゼントはきのう買いに行きました。あなたの好きな青を選んだのだけど、よかったかしら?実はね、あんまり気に入ったので黄色のを自分用に買ってしまいました。お揃いだけどいっしょに着て出かけられそうにないのがさびしいです……」