2003年8月28日木曜日

ひとり暮らし

ここに暮らし始めて三ヵ月、郵便受けに新聞と広告紙とダイレクトメール以外の物が入ったためしがない。
当然といえば当然だ。
友人たちには住所を知らせなかった。
携帯があれば、わざわざ住所を知らせなくても連絡は取れる。
でもちょっと失敗だったかも。
手紙の入らない郵便受けがこんなに不憫だとは。

翌日、切手の貼られた封筒を見付けて胸が高鳴った。手紙だ。
見慣れた文字だった。
「元気でやっていますか。忙しそうで心配です。何か必要なものがあれば送りますから……」
不覚にも涙が出た。淋しかったことにやっと気付いた。