2003年6月22日日曜日

星におそわれた話

「そろそろおしまいだ」
今日もぼくは廃ビルの屋上で星を拾っている。
この前作ったパンが好評で、あれからしょっちゅう星を拾っているのだ。
「本当にそろそろ止めないと…」
「もうちょっとだけ」
「おい!いいかげんにしないと…」
小父さんが言い切る前にそれはやってきた。
星が降ってきたのだ。
積もった星に身体が埋まっていく。
腰まで埋まったところでようやく星はやんだ。
服の中まで星が入り込み、ピチピチ弾けて痛い。
やっぱり小父さんの言うことを聞いておけばよかった。
くやしいので苦しくなるまで星を掴んで食べてやった。
以来、ゲップするたび口から星が飛ぶ。