2003年5月17日土曜日

ある夜倉庫のかげで聞いた話

「少年よ、秘密の話がある。どこか人気のない場所はないか?」
ここだって誰もいやしないよ、と思ったが
おじさんを古い倉庫の裏に案内した。
「話ってなぁに?」
「実はだな…ちょっと待て何か聞こえるぞ」
耳を澄ますと確かに話し声が聞こえてきた。倉庫の前の道を歩く通行人のようだ。
「ばかな事言わないで頂戴」
「オレは見た!月の上がパカッて開いて!人が出てきたんだッ!」
「そんなこと余所で言い触らしたら変人扱いだよ」

「見られちゃったんだね、小父さん」
小父さんはため息をついた。
秘密の話は聞きそびれた。