2003年5月29日木曜日

突き飛ばされた話

「どうしたんだ?少年。キズだらけてはないか」
ここ数日、ぼくは何度も転んで体中がアザや擦り傷だらけになっていた。
「具合がわるいのか?」
「そんなんじゃないよ」
心配顔の小父さんになるべく陽気に答えた。
「なにかに背中を押される感じなんだ。でも後には誰もいないの。おかしいでしょ?」
小父さんは変な顔をしている。
「ちょうどここだよ、昨日転んだのは」
するとドシンと背中を押されて、なんと3メートル先の地面に叩きつけられた。
怪我はフクロウが治してくれたけど電燈に笑われた。
小父さんはどこかにいなくなっていた。