2003年5月23日金曜日

A CHILDREN'S SONG

嵐の晩。小父さんはぼくの部屋にいた。
「帰らなくてもいいの?」
「こんな日は帰らなくても大丈夫。誰も困らない。」
それからしばらく、ぼくも小父さんもフクロウも黙って窓の外を見ていた。
風がうなり、木々がしなり、雨が地面を叩く。ゴミ箱が転がる音がした。
それはめちゃくちゃなようで、規則正しい。うるさいようで、静か。
「ふしぎだね。」
ぼくがつぶやくとフクロウが言った。
{子供の歌のようだ}
小父さんは何も言わずに煙草に火を付けた。
ミントの香りが広がった。